チャリパイ11~時をかける森永探偵事務所~


「つまり~この世界ではオイラ、ありえない位に強くなっちゃってるって訳だ~♪」


先程の沈んだ表情とは打って変わって、シチローはとたんにやる気満々になっていた。


この時のシチローの頭の中を覗く事が出来たとしたら、その頭の中には
『スーパーサイヤ人になって隊尊を手玉に取るシチローの姿』
が映っていたに違いない。


「よし♪いっちょうやってやるか~♪」


そう言って、てぃーだにグローブを着けて貰ったシチローは軽い足取りでリングに上がっていった。


自信とは恐ろしいものである。


会場全体が隊尊の声援である、いわば完全なアウェイであるにも関わらず、シチローは満面の笑顔で両腕を高々と振っている。


「よかったね♪シチロー元気になって♪」


ひろきが満足そうに頷いた。


「ところで、さっきの話本当なの?…パワーポイントって…」


「ええ、あれは本当の話…ただ、シチローが思っている程強くなっているかどうかは知らないけど…」


凪は、てぃーだの質問に答えながら、心配そうにリングに上がったシチローの姿を目で追っていた。