チャリパイ11~時をかける森永探偵事務所~


「エレベーターにオチョクられてるみたいだな…どうも…」


さすがは『mother』の本拠地ビルである。エレベーターひとつ取ってみても、なかなかに手強い。


「今度は私1人よっ!
これでどうよ!」


『そんなにムキにならないで下さいよ♪』


「ムキィ~~~~ッ!」


「コブちゃん♪大丈夫、全員乗れるよ♪そんなの無視無視」


シチローは笑って全員を乗せ、エレベーターを上昇させた。


オチョクられてると知った子豚は、不機嫌な顔でエレベーターに話し掛ける。


「大体アンタ、エレベーターのくせに生意気なのよ!どうせ『シ〇ドラー社』のエレベーターなんでしょ?」



『欧米かっ!』



「コブちゃん…エレベーターに突っ込まれてるよ…」


「ウルサイ!アンタと漫才なんかしたくないわよ!」


『いいコンビだと思ったんですけどねぇ♪』


「何がいいコンビよ!
大体、アンタと漫才やって『オチ』はどうするのよ!」









『オチましょうか?』


「え?・・・」














「うわああああ~~っ!それだけはやめてくれえぇぇぇ~~~っ!」



エレベーターの箱の中、5人の絶叫が響きわたった。