「一緒に暮らしてるってことは、黒木さんと結婚したの?!」
敬ちゃんがそう言うので、わたしは左手を見せ「まだ独身です。」と言い、笑って見せた。
「そういえば、敬ちゃんが通う病院に黒木先生って居ない?」
わたしの言葉に察したのか、敬ちゃんは「あれ、もしかしてクロキさんなの?!」と大袈裟という程に驚いていた。
わたしが頷くと、敬ちゃんは「何か見覚えがあると思ってたんだよなぁ。」と言って腕を組んだ。
「さすが黒木さんだなぁ、、、くる実ちゃんが幸せで良かった。」
そう言うと、敬ちゃんは切なそうに微笑んだのだった。
「あ、そういえば舞ちゃんは?!あのあと、どうなったの?!」
敬ちゃんの言葉にわたしは、何と言ったら良いか迷ったが、大まかに説明をすることにした。
舞さんは闇の巨人になって、クロキさんがあの世に送ったこと。
しかし、なぜかこの現世に人間として戻り、黒木さんに会わせろ!と病院で騒いでいたこと。
そして、黒木さんを探し出したということは、いずれわたしにも危険が及ぶ可能性があり、わたしの職場近くに引っ越してきたこと。
それから、舞さんがわたしの職場を特定してきたこと。
敬ちゃんは険しい表情で真剣にわたしの話を聞いていた。
「でも、職場が近いからって、安全とは限らないよ?!舞ちゃん、くる実ちゃんの職場を訪ねて来たんでしょ?!またいつ来るかわからないよ!」
敬ちゃんの言葉にわたしは何も言えなかった。
舞さんは、いつ何をしてくるか分からない。
確かに敬ちゃんの言葉に納得している自分がいた。



