内科を受診してから一週間後。
わたしは再び内科を受診し、板橋先生に診てもらった。
「うん、もう大丈夫そうだね!」
「ありがとうございます。」
「もうこのまま帰って大丈夫だよ!気を付けて帰ってね!」
わたしは板橋先生にお礼を言い、診察室を出ると、家路につこうとした。
そのままタクシーで帰ろうとしたが、急に甘いものが食べたくなり、病院のすぐ近くのコンビニに行くことにした。
わたしはコンビニで買い物を済ませると、久しぶりに散歩がしたくなって、歩いて帰ることにした。
病院から自宅までは、徒歩15分程。
最近、舞さんに遭遇していないし、大丈夫だよね。
そう思いながら、歩いているときのことだった。
すぐ目の前の信号機前に立っている男性がいることに気付いた。
赤いパーカーを着た男性。
もしかして、敬ちゃん?
歩行者側の信号は青。
渡らないのかなぁ?と不思議に思っている、そのときだった。
車道側が青になり、車が発進し出した途端、敬ちゃん走り出した車に向かって飛び出したのだ。
「危ない!!!」
わたしは慌てて走り出し、敬ちゃんの腕を掴んで引っ張った。
わたしと敬ちゃんは、勢いよく後ろに転んだ。
敬ちゃんはわたしの方を向くと「何で邪魔するんだよ!!!」と涙顔で怒鳴った。
「危ないでしょ?!何であんなことしようとしたの、敬ちゃん!!」
すると、怒りの表情からスッと眉が下がり、「え?」と敬ちゃんの表情が緩んだ。
「何で俺の名前を、、、もしかして、くる実ちゃん?」



