「う~ん、じゃあ、恭ちゃんのせいだね。」

兄貴の答えに、美香はびっくりして顔を上げる。

「恭ちゃんが、美香を不安にさせるような行動をしてたってことでしょう?」

「ち・・・違っ!美香が・・・」

兄貴は美香の手を私の手からとると、

「違くないよ。恭ちゃんが美香を不安にさせたんだ。恭ちゃんの愛が足りなかったんだよ。」

そういって、美香の手を自分の胸に持っていった。

「美香、わかる?恭ちゃんは、まだ美香と一緒にいたらドキドキするんだよ?それとも、美香はもう、愛の足りない恭ちゃんなんか嫌いになった?」

眉の端を少し下げて、美香を上目遣いで見つめる兄貴に美香は抱きついた。

「う・・・ううん!美香は恭ちゃんが一番好き!恭ちゃんの愛も感じる!ごめんね。美香がわがままだから。もっとほしいって、不安になっちゃっただけなの!」

兄貴は目いっぱいの力で美香をぎゅーっと抱きしめると、

「美香がほしいなら、もっともっとあげるから。だからどこにも行っちゃだめだからね?」

泣きながら兄貴の腕の中でこくこくと頷き続ける美香をみてやっとほっとした。


「ゆかちゃん~、お兄ちゃんはコーヒーがほしいなぁ」

・・・あ、見るなって事ね。

「はいはい。」そういって立ち上がったとたん。



ぅっちゅ~~~~~~という音が聞こえてきた。