再会は、嵐を呼ぶ恋の始まり

仕事の後会社を出て、向かったのは少し離れた所にあるイタリアンの店。
美優から聞かされた店を目指して歩いていると、ちょうど石田と美優が出てくるところが見えた。

「おい、何をしているんだ」

完全に支えなれながら、石田に身を預けている美優を見てつい強い口調になった。
普段からそんなに酒が弱い方でもない美優がここまで酔っ払うなんてそうあることではない。
先日の歓迎会の席では、何種類もの酒を一気に飲んだために酔っ払ったが、きっと今回も同じようなことがあったのだろうと想像した。
わざわざ石田と言い争おうとは思わないものの、美優をこのままになどできず、俺は2人の前に立った。

「どうせ、お前が飲ませたんだろ？」

酔っぱらった美優がそれでも石田をかばうのが面白くなくて出た言葉。

「僕が美優さんと飲みに出たらいけませんか？部長と美優さん付き合ってるわけでもないんだから、問題ないと思います」

挑戦的に言い返され、頭にきた俺は強引に美優を奪い返した。