再会は、嵐を呼ぶ恋の始まり

4年前。
入社して1年が過ぎ、私も亮平も初めて自分の担当を持たせてもらった頃だった。
まだまだ半人前ではあったけれど、誠実に取引先と向き合い、営業成績を上げようと必死に走り回っていた。
先輩について回った最初の1年で世の中にはいろんな人がいることも肌で感じ、それなりに対応できるようになったつもりでいた。
しかし、その当時担当した中堅企業の担当役員が評判の悪い人で、私も無理難題を押し付けられた。そして、何よりも私に対する態度がおかしかった。
営業に行くたびに私に近づいてきて、その距離がやたらと近かった。
本当ならその時点で先輩に助けを求めればよかったのだろうと思う。
しかし、私は声を上げることができずに一人で我慢してしまった。
そして、新商品の話を聞くと言って呼び出された会議室で私は担当者と2人となり、肩に手を回された。
私もこれは違うだろうと、逃げようとした。
怖くて声は出なかったけれど、相手を押し避けて離れようとした。
しかし、当時肩まで伸ばしていた髪をぎゅっと握られ私は動けなかった。