再会は、嵐を呼ぶ恋の始まり

「実は、会社の同期が上司として帰ってきたんです「
「上司って、大阪に行ったって言う?」
「ええ、そうです」

何度か一緒にお茶をする中で亮平の話をした記憶があるから、富美加先生は覚えていてくれたらしい。

「すごく素敵になって帰ってきました」
「それはよかったじゃない」

楽しそうに言う富美加先生に、そう単純な話意ではないんですと私は身を乗り出した。

「彼は会社の後継者で、ゆくゆくは社長になる人です。だから、ずっと一緒にいられるわけじゃないのに・・・それでも、側にいられるのが嬉しくて」

会社の人の前では絶対に言えないけれど、富美加先生が部外者だと思うからこそ本心を打ち明けてしまった。
そして、普段人前では泣かないのに、私は目頭が熱くなって持っていたハンカチで目元を押さえた。