再会は、嵐を呼ぶ恋の始まり

「ところで、話って何」

食事も進み、お腹も満たされてきたところで私は亮平に聞いてみた。

「うん、そのことなんだが、美優はこれから先どうするつもだ?」
「どうするって?」

あまりにも漠然とした質問に逆に聞き返してしまった。

「これからもずっと仕事を続けていくつもりなのか?」
「もちろんそのつもりよ」

どうしたんだろう、私に異動の話でもあるのかしらと頭をよぎった。

「結婚しても仕事は続ける?」
「それは、相手によるけれど、仕事を辞めるつもりはないわ」

いきなり結婚なんてワードが出てきて、さらに意味が分からない。
この時の私は、亮平が言いたいのかその真意をつかみかねていた。

「それじゃあ、海外支社へ出向するつもりはある?」
「え、そんな話があるの?」

うちの会社は総合商社だから海外にも支社があり、そのトップは日本から執行したエリートたち。
ただ現場で働くスタッフは全て現地採用で、日本から転勤していく事はないと聞いている。

「別に具体的に話があるわけではない。ただ美優にその気があるのかと聞きたいんだよ」
「それは・・・」

男性の世界で共に仕事をして結果を出そうともがいている以上上を目指したい気持ちは私にもある。
ただ私のような女性が営業職でどれだけ頑張っても課長まで行くのが精一杯だろう。
もちろん私はそれで充分だと思うし、自分で働いたお金て一生暮らせれば悔いはない。
だから、亮平の言う海外出向の話は私にとって別世界の話だ。
そして、わざわざ呼び出されてこんな話をしされることに多少の違和感も感じていた