再会は、嵐を呼ぶ恋の始まり

「う、うーん」

ゆっくりと伸びをして、彼女が目を覚ましたのは午前6時を回った頃だった。
その少し前に目覚めた俺は、ベッドの上でじっと彼女を見つめていた。

「え、なんで長嶋がいるの?」
面白いくらい慌てる彼女。

「昨日酔い潰れたのを覚えてないのか?」
「それは・・・」

どうやら自分でも酔っ払った自覚はあるらしい。
本当なら女性としてもう少し危機管理を持てようと説教してやりたいところだが、こうして連れて帰った俺が言う事でもない気がしてやめた。

「ここは・・・どこ?」
「東京タワーホテル」
「なんで?」
「近かったから」
「でも、ここって高いでしょう?」
「そんなこと気にするな」

ここに彼女を連れてきた理由はいくつかあるけれど、値段のことは考えていなかった。

「ありがとう、ごめんね」
「いいから、先にシャワー浴びて来い。朝食はルームサービスをとっておくからな」

何に対するありがとうで、何を謝ったのか聞いてみようと思ったができなかった。
今ここに彼女がいてくれるだけで充分だと、俺には思えたからだ。