「どうした、疲れたのか?」
「いいえ、大丈夫」
会場で過ごした時間は数時間。
にこやかに挨拶を交わし、飲み物を飲み、美味しいお料理も頂いた。
しかし、私には何の記憶も残らなかった。
それだけ緊張していたってことだろう。
「美優も、随分声を掛けられていたもんな?」
「え?」
「ほら、俺が少し離れるたびに言い寄られていたじゃないか」
「そんなこと・・・」
私の中で言い寄られた記憶はない。
確かに社交の場だから何度か挨拶を交わしたことは覚えているが、言い寄られるなんて状況ではなかったと思う。
「みんな美優のことが気になっていたんだよ」
「それは」
亮平の思い違いよと否定しそうになったが、ブツブツと文句を言いながら唇を尖らせる亮平がかわいく思えて黙り込んだ。
いつも自信満々で弱み何て見せることのない亮平の不機嫌そうな姿に、愛されていることを実感した。
「じゃあ、帰ろうか?」
「ええ」
そして、当たり前のように同じマンションへと帰って行く暮らしに私はすっかり慣れてしまっている。
きっと、もう亮平と別れて暮らすことはできないのだろうな。
そう思うと、少しだけ切ない気持ちになった。
「いいえ、大丈夫」
会場で過ごした時間は数時間。
にこやかに挨拶を交わし、飲み物を飲み、美味しいお料理も頂いた。
しかし、私には何の記憶も残らなかった。
それだけ緊張していたってことだろう。
「美優も、随分声を掛けられていたもんな?」
「え?」
「ほら、俺が少し離れるたびに言い寄られていたじゃないか」
「そんなこと・・・」
私の中で言い寄られた記憶はない。
確かに社交の場だから何度か挨拶を交わしたことは覚えているが、言い寄られるなんて状況ではなかったと思う。
「みんな美優のことが気になっていたんだよ」
「それは」
亮平の思い違いよと否定しそうになったが、ブツブツと文句を言いながら唇を尖らせる亮平がかわいく思えて黙り込んだ。
いつも自信満々で弱み何て見せることのない亮平の不機嫌そうな姿に、愛されていることを実感した。
「じゃあ、帰ろうか?」
「ええ」
そして、当たり前のように同じマンションへと帰って行く暮らしに私はすっかり慣れてしまっている。
きっと、もう亮平と別れて暮らすことはできないのだろうな。
そう思うと、少しだけ切ない気持ちになった。



