再会は、嵐を呼ぶ恋の始まり

「美優さん、決して騙していたわけじゃないのよ。あなたと知り合ったのは亮平が大阪に行った後のことだったし、今年の春東京に帰ってくるって聞いた時も、あなたに話すタイミングを逃しただけなの。ごめんなさいね」
「俺も話そうと思ってはいたんだ。騙そうとしていたわけじゃない」

亮平も富美加先生も申し訳ないと頭を下げてくれるけれど、その仕草や反応や話し方までがそっくりで、なんだか不思議な気分だ。

「私は、別に・・・」

二人に文句を言いたいわけじゃない。
自分だけ知らされてなかったことに寂しい気持ちはあるものの、騙されていたという気持ちにはならない。
そもそも先生からは生活感があまり感じられないから、2人が親子だって事に現実味がなさすぎる。