再会は、嵐を呼ぶ恋の始まり

「ちゃんと説明するから、とにかく落ち着いてくれ」

それからしばらく後、亮平は立ったままだった私にソファーを勧め、座ってくれと促した。
立ち尽くしていた私も、とりあえず話を聞こうと腰を下ろした。

「それで、どういうことなの?」

何度か息をつき少し落ち着いた私は、まっすぐに亮平を見つめる。

「実は、この人は俺の母さんだ」
「え?」

ぽかんとした後、私は亮平と富美加先生を交互に見た。

「父と離婚したから長嶋の姓は名乗っていないが、まぎれもなく俺の母親だ」
「お母、さん?嘘、だってとっても若そうなのに・・・」

実際の年齢よりも若々しいことは以前からわかってはいたが、自分の親の年齢と同じ位だと言われるとどうも実感がわかない。ましてや亮平のお母様なんて・・・ .

「確かに若くは見えるが、とっくに50を過ぎている」
「ちょっと亮平、変なこと言わないでちょうだい」

なんとなく納得したかけ私の横で、少しピントはずれな文句を言う先生が可愛いなぁと思いながらも、亮平と富美加先生が親子だとはやはり驚きでしかない。