再会は、嵐を呼ぶ恋の始まり

部長に連れられてやって来たのは社内のカフェ。
社員だけ2000人を超す人が働くNAGASIMAには大きな社員食堂と外部の人間も利用できるようなカフェが3つ併設されている。
その中の一つに私と部長はやって来た。

「休憩に行くところだったんだろ?」
「ええ、まあ」

不満そうな顔をする私を見て、なぜか部長は笑っている。
それがまた苛立たしくて、つい地が出てしまった。

「こういうのってパワハラですよね?」
「そうなのか?」
「ええ、たぶんそうです」

私がそう感じれば立派なパワハラになると思う。

「吉野は嫌だった?」
「いえ、そうではないけれど・・・」

別に一緒に食事をすることが嫌なわけではない。
実際、過去には数えきれないほど一緒に飲んだ仲だ。
でも、今は立場が違う。

「久しぶりに会って話がしたかっただけだよ。引き継いでいった取引先のことも気になっていたしね」
「それなら勤務中に呼んでください。言ってくだされば、私が部長の都合に合わせますから」

ただでさえ新部長の動向に注目が集まっている中で親し気な行動をすれば、目立ってしょうがない。
私はできるだけ目立ちたくないのだ。