「…永の匂いが移った?」

お姉ちゃんはそう聞いてくるが

「俺、そんなん付けないし。
男用の香水は少し付けてるけど」

お兄ちゃんはそう言いながら
私の制服の香りをよく嗅いでくる。

「…確かによく嗅げば匂いするな。
これさ、何かスポーツ用のやつだよな」

お兄ちゃんは少し怪訝な表情をし始め

「…菜美、
今日はずっと図書室にいたんだよな?」

そう聞いてきた。

「うん…それは勿論」

私が冷静に頷けば

「1人で?」

「うん」

「帰りもずっと1人?」

「…うん」

「じゃあ何で制服に
制汗スプレーの匂いが付くんだよ」

「わ、分からないよ…」

…まるで尋問。

しかも玄関先で3人に睨み付けられるように
聞かれている…。