すると菜美ちゃんは俺の手を離し

「…お兄ちゃん、落ち着いて。
ミヤ君は本当に体調の悪い私を
送ってくれただけだから…」

「菜美、お前はこの男の事
そんなに信用してんのか!?
中学の時も菜美の顔だけで
近付いてきた奴がいただろ!?
菜美を本当に愛してくれる奴なのか
この俺が見極めてやるから!!」

「…ミヤ君は私の事
ちゃんと好きでいてくれるよ」

「そうか?
でも結構俺にビビってそうだけど?
菜美が本当に好きならここで帰ったり
しないよな!?
それともビビって帰る程度の遊びの仲か!?」

「…お兄ちゃんの見た目でびっくりしない方が
おかしいよ。今日はミヤ君も疲れてるんだから帰って貰うから」


菜美ちゃんはお兄さんを必死に宥めていた。

…本当に凄い溺愛というか執着心というか、
凛君の比ではない。

…菜美ちゃんも家族の事大切に思ってるけど
自分が想われすぎている自覚もあるから
前、家族の事を話してくれた時に
"逃げてもいいから"って言ったのかな。

それに俺が緊張した顔をしたのも分かって
帰らせようとしてくれてるし…。

…でも俺は、そんな生半可な気持ちで
菜美ちゃんと付き合ってる訳じゃない。