「…ミヤ君?」

私も名前を呼べば

「…え、大丈夫!?雨に濡れるよ!」

そう言って近付いて来たかと思えば
ミヤ君は自分のさしていた傘に入れてくれた。

「…え、あ、大丈夫だよ。小雨だし、」

突然距離が近くなり、
思わずドキドキしていれば

「しかもこんな遅くにどうしたの?
何かあった?」

…皆、私が何かあって遅くなったと
心配してくれてる。

「…いや、ただその…
図書室で本を読んでたら時間を忘れてて…
今日は傘も忘れちゃったし…」

自分のうっかりな部分を言うのが
何となく恥ずかしくなり照れて笑っていれば

「…菜美ちゃんって、意外と天然なんだね」

ミヤ君もなぜか少し照れたように笑っていた。