…お母さんは私の思いが
全部分かっているようでそう提案してくれた。

「うん…ありがとう。
お兄ちゃんにもお礼言っといて…」

私がそう言えば
"ホント、心配性すぎて困ったものよね。
分かったわ"と笑いながら
お母さんは電話を切った。

…今頃お兄ちゃん、
お母さんに宥められてるのかな。

2人に迷惑かけて本当に申し訳ない…。

早く帰ろうと思い、
靴箱に向かい外に出ようとすれば

…少し雨が降り始めていた。

鞄の中に折り畳み傘が…と思って探したが
今日に限って忘れてきたらしい。

…仕方ないよね。
少し走ればあんまり濡れないだろう。

そう思い、校庭を小走りで走っていれば


「…菜美ちゃん?」


と、突然名前を呼ばれ振り向けば
そこには部活帰りなのか…
ミヤ君が何人かの友達と一緒にいた。