「ご、ごめんって瑞樹。
…頼むからそんなに怒らないで」

「母さん、落ち着いて…」

「そうだよ、ママ…
そんなに怒るとお腹の赤ちゃんも
びっくりするって…」

皆はもはや私の事ではなく、
今度はお母さんを宥めようと必死だ。

「じゃあ、もう菜美を自由にさせてあげて。
私達がその男の子の事で介入するのは
菜美が本当に困った時だけよ。良いわね?」

お母さんの声とは思えない程
低い圧のある声に
皆身体を震わせながら頷いていた。

…お母さん、不良でもないし
喧嘩も強くないのに
この不良一族をここまで怖がらせて
従わせるって…

実はとんでもなく凄い人なんじゃ…。