「…竜、おいで」

お母さんはそんな竜の姿を見て
優しくそう言うと

どこか戸惑いながらも傍に来た竜を
お母さんはぎゅっと抱き締めた。

「竜はいつもお母さんとお腹の赤ちゃんの事を気にしてくれて優しいね。
お母さん、竜の事ずっと大好きだからね。
いつでも甘えにおいで」

お母さん…竜がお母さんに甘えられなくて
寂しかったの分かってたんだ。

「…お母さん、僕も大好き」

竜はそう言うと、
お母さんに恐る恐る抱き着いた。

…その様子を見て、
お腹に赤ちゃんがいるから思いきり
抱き着かない竜は優しい子だなと
微笑ましく思っていれば、

「でも大丈夫だよ、お母さん。
僕お兄ちゃんだし…寿とお腹の赤ちゃんに
お母さんの事譲ってあげるし
菜美ねーちゃんもいるから平気だよ」

竜はお母さんの優しさに安心したのか
今度は私に思いきり抱き着いてきた。

…私には全然加減を知らない竜は
ホントに痛いくらいに抱き着くが

それでもやっぱり愛しいし
お母さんも「菜美がいるから安心ね」と
微笑んでいた。

そんな2人に優しく見送られながら
私はさっきのげんなりした気持ちとは一転
心が温まる気持ちで学校へ行った。