推しにおされて、すすむ恋


私も下から手を伸ばし、玲くんの両頬を掴む。そしてニコリと笑みを浮かべた。


「確かめてみて。私の瞳の中――
玲くんと星空、どっちが写ってる?」
「……~っ」


グラリと揺れたのは、玲くんだった。
口を片手で覆い、その場に座り込む。


「玲くん!どうしたの⁉」
「今の……〝ダメ〟」


弱々しい声は、私まで届かなくて。顔を見ようとしても、手のひらで返される。うぅ、鉄壁の防御!


「(あ、変なセリフにドン引きしたのかな⁉)」


心配で、私も玲くんの隣に座り込む。すると、ほぼ同時に、玲くんから鋭い視線が向けられた。


「俺以外の奴らに、その顔は禁止。
そういうゆのを知るのは、俺だけってことで」
「え?」

「あと、さっきのセリフ。
ぜったい撮影で使っちゃだめだよ」
「えぇ!?絶対?」

「ぜ・ったい・ダメ」
「そ、そんなぁ……」


まさかのNG!
勇気を出したのに、そこまでヒドかったなんて!


「変なセリフ言ってゴメンね」
「違うよ、俺に耐性がなかっただけ」


耐性?
耐性ってなんだろう?
変なセリフを聞いても、気分が悪くならない我慢強さってこと?


「(もしそうなら、余計に動画では使えないね。全国のリスナーが、調子を悪くしちゃう!)」