「ゆのが、男性リスナーにロマンチックなセリフを言うのが、なんか嫌なんだよね」
「ど、どうして?」
「んー……。さぁ、どうしてだろう」
玲くんは、へにゃりと顔をほころばせる。
ドキ
そんな顔を見せられて、ときめかないワケがなく。赤い顔を下げる私を見て、玲くんも照れたようにそっぽを向く。
なんだか、くすぐったい空気。
全身が、柔らかい雰囲気に包まれていく。
「(でも、改めて考えると……)」
玲くんも、女子リスナーにロマンチックな事を言うんだ。
たくさんの女性リスナーに、玲くんの甘い言葉が届く――想像すると、さっきまでキュンとしていた胸が、あっ気けなくしぼんだ。
「私も、嫌だな……」
「え?嫌?」
「……あ」
しまった、声に出しちゃってた!
両手で口をおおう。
だけど、玲くんが許してくれなかった。
「さっきの言葉、ほんと?」
いつの間にか玲くんに両手を握られていて……逃げられない。
うろたえる私を見て、彼の瞳がキラリと光る。
「もし本当なら、俺、自惚れちゃうよ?」
「う、己惚れる?」
「だって〝お互い同じこと思ってる〟って事でしょ?」
「!」



