推しにおされて、すすむ恋



「ゆの、待ってたよ」
「え、お姉ちゃん?なんで?」
「だって〝朝イチで屋上に来て〟って言おうとしたのに、逃げられたんだもん。だから〝ゆのを連れて来て〟って、ノアにお願いしたのよ」


玲くんを見ると、コクリと頷いた。

わざわざ私をここに?
何のために……?


「昨日は楽しかったなぁー?〝仮ステラ〟」
「や、ヤタカ……さん」


うそ、全部バレてる……!
パンパンに腫れて見苦しい顔を、ザッと青く染める。

だけどヤタカさんからそれ以上の追求はなく、「さて」と。お姉ちゃんに、目で合図を送った。


「役者が全員そろったことだし、ステラの口から説明しろよ?妹ちゃん、合宿の間、すげー頑張ったんだからな」
「そうね。全て、私が話すわ」

「え、何……?」


お姉ちゃんは悲痛な面持ちで「ゆの」と、私に近づき膝を折る。


「私のせいで、ゆのを巻き込んでごめんね。
実は私、少し前から進路について悩んでいたの」
「進路?お姉ちゃん、ちゃんと考えていたんだ……」


お姉ちゃんは「当たり前でしょ」と、呆れた顔で笑う。その笑みは……なんだか悲しそう。