「これからは、もうステラの交代はナシだからね?」
「……うん。あのさ、ゆの」
「あ、もう行く時間!
お姉ちゃん、ありがとう!すっごく可愛くなったよ!」
お姉ちゃんの言葉を遮って、部屋を飛び出す。
だって、もし「実は玲くんと付き合ってる」とか言われたら……。何て答えたらいいか分からないし、聞いただけで泣いちゃうに決まってる。
だから、ごめんねお姉ちゃん。
何も聞かずに出て行く私を許して!
だけど――私は忘れていた。
家からお姉ちゃんの手を逃れても、学校で、しかも後ろの席に玲くんがいることを。
「ゆの、おはよう」
「うぇ、お……おはよう……?」
「なんか今日いつもと違うね?メイクしてる?」
「う、うん。ちょっと……」
「そっか。かわいいね」
「っ!」
昨日と変わらない笑みで、ニッコリ笑う玲くん。
カッコイイ顔に、素敵な言葉。
これも思い出の一つ……になるはずなのに。
胸がきしんで、どうしようもない。



