推しにおされて、すすむ恋


玲くんとメールのやり取りをしているだけ、奇跡だよ!本当なら、席が前後のクラスメイトって関係だけだったし。

仮ステラになれて、合宿に参加できて、充分すぎるくらい。だから――


「ぜんぶ良い思い出だったな。合宿、最高に楽しかった!」


足に力を入れ、自分の部屋を目指す。

でも……自分の家なのに、なんか歩きずらい。ぐにゃぐにゃ視界が曲がってる。


「……あっ」


上手く歩けない原因は、目に溜まった涙だと気づく。

しかも自覚してからは、もっともっと涙が出ちゃって……。こらえきれなくなり、まるで滝のようにポロポロ零れ続けた。


「やだ、やだよ。私、もっと玲くんのそばにいたい……っ」


言葉にして、ハッと気づいた。
私……玲くんと一緒にいたいんだ。

いくつもの玲くんの優しさに触れ、色々な表情を見て……どんどん魅了された。気づかない間に、自分の気持ちが変化していたんだ。

ノアっていう推しから、
玲くんっていう好きな人へ、
いつの間にか変わっていたんだ。