推しにおされて、すすむ恋



「合宿が終わった瞬間に、二人きりで会う……なんて」


胸のなかに、どんよりした暗雲が立ち込める。
ずっと頭にあった「嫌な想像」が、急に現実味を増した。


「お姉ちゃんが玲くんにだけ相談したり、二人きりで会ったり。

やっぱり、あの二人は付き合ってるんだ……」


何度も「二人は付き合ってるんじゃないか」って想像した。でも、その答えを見つけたくなくて。浮かんだ疑問に、すぐ蓋をしていた。

思えば、逃げていたんだ。
二人が付き合っていることを、認めたくないから。


「もし、玲くんとお姉ちゃんが付き合っていたら……玲くんは、お姉ちゃんの彼氏ってことだよね?」


玄関に立ったまま、動けない。
むしろ足の力が抜け、その場に崩れ落ちた。


「玲くん……っ」


もう一度、スマホを見る。
だけど何度も見ても、さっき見た文章は変わらない。二人の仲を決定づける、決定的な証拠だ。


「~っ」


こみあげた熱いものが、零れ落ちそうになる。だけど急いで上を向き、涙をのんだ。


「……なーんてね!仮ステラが終わったんだもん。二人がどういう関係だろうが、私には関係ないよ。

だって私、もう一般人に戻ったんだよ?玲くんは雲の上の人だし、ノアとステラ。同じグループ同士、釣り合うし、お似合いだよ!」