月の雫 ~愛してくれる貴方へ~



「確かに柚月さんはタトゥーを見れば
苦しい過去を思い出すかもしれませんが…
響さんや辻川さんといる時の柚月さんは
凄く楽しそうですし…最近は私にも言いたい事を言ってくれてよく注意をしてくれますし…」


私が今日も外を眺めていた事を柚月さんに
注意された事を思い出し微笑みながら言えば


「…ルナ、まさかまた今日も寒い中勝手に
縁側から外に出たの?」


響さんは私の心が読めたのか
じとっとした目で私を見てきて…


「…ご、ごめんなさい。
もう勝手に外には出ません。
ただ私が言いたいのは…柚月さんにとって
柏木組は嫌な記憶があるだけの場所ではないと思いますよ」


私がそう言うと
響さんは不思議そうな顔をしており…


「…だって、辻川さんや響さんとの記憶は
柚月さんにとってはきっと素敵な思い出だと思いますよ。柚月さんは辻川さんと響さん以外に親しい人はいないと言っておりましたし…
柚月さんの場合はタトゥーを見るだけでなく
男の人に無理やり行為を強要される事もトラウマだと思いますし…柏木組を離れたからと言って嫌な記憶が甦らなくなるとは限りませんよ」


「…」


「…柚月さんの気持ちを勝手に想像してはいけません。響さん…優しいあまり人の気持ちを先回りして考えて勘違いする所もありますから。
…柚月さんの気持ちが落ち着いて、本当の気持ちを聞けるまで待ちましょう?
でもきっと柚月さんは…気心の知れたお2人と
働きたいという思いが強いと思いますが…」