月の雫 ~愛してくれる貴方へ~

「…あ、」


私は自分の口から思わず出てしまった
"好き"という響さんに対する言葉を思い出し
顔が赤くなる感覚がして、
咄嗟に口元を押さえた。


「ルナ、俺の事好き?」

「ご、ごめんなさい…私、その、」

「何で謝るの?」

「だって…私みたいな人間が、人の感情を束縛するような言葉を言うなんて…」



"出来損ない""失敗作"
両親からずっと言われ続けてきた言葉。


私は、誰の力にもなれない不必要な人間だから
我が儘を言ってはいけない。


何を言われても従順に"はい"と言うだけで
自分の口から…こんな感情を露にした言葉を
言った事はなかった。