溺愛俺様系男子と完璧王子様に同時に好かれまして

 黒板に白いチョークで文字を書く音だけがかつかつと響いている。
 私は、先生の指先を固唾をのんで見守る。
 かたっと音を立てて、先生はチョークを置いた。
 「はい、これが冬休み明けのテスト範囲だからなー。課題ちゃんとやっとけよー」
 うおおーと嘆きの声が教室のあちこちから飛び交う。
 「多すぎ…遊べないじゃん」
 私も小声で文句をこぼす。
 冬休みなんてすぐ終わっちゃうんだから、少しくらい休ませてほしいよ。
 「それから、昨日出した課題集めといてな。係は、ホームルームが終わったら職員室まで持って来といてなー」
 はーい、と私は心の中で返事した。
 文系なのに、数学がある時点でどうかしてると思うんだけど、私達の担当の先生は毎週課題を出してくるから、係の私がクラス全員分のノートを運ばなきゃいけないんだよね。
 大変な係選んじゃったなぁ。忘れないようにメモしとこっと。
 しばらくすると、授業の終わりを知らせるチャイムが鳴った。
 それでもクラス中は、まだテストの不満の声で溢れていた。