元体操のお兄さんとキャンプ場で過ごし、筋肉と優しさに包まれた日――。

「美和さん、キャンプどうでしたか?」
「楽しかったです……楽しめたのは、お兄さんがいてくれたからだと思います」

 本当に心の底からそう思う。
 今回キャンプを楽しめたのは、お兄さんのお陰だって――。

「またキャンプしたいと思いましたか?」
「はい、碧もとても楽しんでいたので、またしたいです」
「じゃあ、もし嫌でなければ、また……ご一緒させてください」
「こちらからも、よろしくお願いします」

 またお兄さんと一緒にキャンプできるんだ。想像するだけで気持ちが高まり、うきうきとした気持ちが溢れすぎた。

「ママ、まだ時間かかる?」

 碧が窓を開けて訊いてきた。

「今行くね!」

 私は運転席に座ると窓を開ける。

「お兄さん、本当に色々ありがとうございました!」
「こちらこそ幸せな時間を、ありがとうございました」

 お兄さんも、私達と一緒にいて、幸せな気持ちでいてくれたんだ。お兄さんの言葉を聞いて、心が温かくなった。

「碧ちゃんも、色々ありがとね!」
「うん、また遊ぼうね!」

「じゃあ、また」と私は言う。窓を閉めかけた時「あの、キャリーカートは買わなくても大丈夫です。荷物運びは、自分に任せてください!」とお兄さんが言ってくれた。
「分かりました。よろしくお願いします」

 私達は微笑みあった。

「お兄さん、では次のキャンプの時にまた」
「はい、ふたりが楽しめそうな場所をいくつかピックアップして、後から送りますね」

 さよならを告げると帰路につく。
 永遠にさよならになると思っていたけれども、また会える――。

「ぎゅっとして、ラブね? ラブラブよね~♪」

 気分がいいのか、ずっと碧は車の中で、ネット動画で流行っている歌を口ずさんでいる。

 私も碧の歌をBGMにして、幸せの余韻に浸った。


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