「ハルキ」 ニカッと歯を見せてアキが俺を見上げる。 「ナツキはいい子だよ」 「知ってる」 「あんたなんかには勿体ないけどさ」 「知ってるよ」 「絶対、いい嫁になる!」 「ちょっと、アキちゃんやめてよ」 「知ってるって」 「え、と、ハルキ!?」 「2人とも、バイバーイ!!!」 大きなキャリーケースをひきずって、アキが右手を大きく振る。無邪気に笑顔を見せて、搭乗口の人混みの向こう側に消えていった。