「光、私がいなくなっても元気で生きて。末広さんはどうか光をお願いします。それと私がいなくなっても光が元気で暮らせるように、篠宮さん光をお願いします。光と付き合ってください。私の遺言です」
「あ、ああ」
光はまともに声が出なかった。
「葛飾さんさよなら、俺は君と光のいちゃいちゃが見てて羨ましいと思ってたけど、今となっては懐かしいよ。こう言うのはおかしいかもしれないけど元気で」
末広が少しすっきりとした顔で言う。
「雅子さん安心してください。私が光さんを幸せにします」
凛子ははきはきと言った。
「ありがとう」
「光も後悔しないうちに言っておけ」
「うん、俺雅子が好きだ! やっぱり行かないでほしいよ。だけど行かなきゃならないんなら、天国で待っててくれ! 俺もすぐに迎えに行く」
光は泣きながら言う。
「私も好きだよ。でもすぐには迎えにこないで、元気に育って結婚して、子供を作って、そのまま寿命を迎えて。良い人生だったって私に連絡して。お願い。そして私の死を引きずらないでね。私のことは忘れてもいいから、新しい人生を歩んで」
「分からないよ。なんでそんなもののために雅子がこの世からさらなければならないんだよ」
「光、住職さんや末広さん凛子さんを恨まないで」
「嫌だよ!」
「うんぬぬぬぬぬぬ」
そして住職の呪文が唱え終わった。
「さよなら、元気でね」
「ああ、元気で」
泣いてる光の代わりに末広が答える。
そして雅子は天に吸い込まれていった。
「さあ帰るか」
「うん」
「泣いても良いんだぞ、俺たちが支えるから」
「うん、うん、うん」
そして光は泣き出した。
三人は電車に乗って帰っていく。行きは四人、帰りは三人。その状況で光はもう雅子はいないという現実を感じていく。光は電車内ということもお構いなしに、泣きに泣いた。周りの人の視線が痛かったが、そんなことはお構いなしである。その光景を見て末広、凛子の二人はただ見守っていた。



