「やめてください!」
その沈黙を破るように光が飛び出してきた!
「俺は俺は、納得できません」
「なら納得できるように話しましょう」
住職は一呼吸おいて……。
「その子は悪霊です。あなたの命にはまだ関係ありませんが、その子があなたの命を奪う可能性は十分にあります。もしその子の精神状態が悪化したら、人の命を奪いかねない。だから祓わないといけないんです」
もちろん嘘である。もし雅子の精神状態が悪化したとしても人が死ぬわけではない。だがありのままのことを言ったら、彼らが傷つきかねないのだ。
「だからって今は人を殺してるわけじゃないですよね。なんで祓わらなければならないんですか? 雅子が霊だからって言うだけじゃないですか」
光自身もわかっている。自分が話していることは理論的におかしいと。だが、ここにきてまた雅子を諦められないのだ。
「いいです」
「え?」
雅子が出てきた。
「私を祓ってください。私のために人が苦しむのは嫌です。私もわかっています。私のせいで何かおかしくなっていると。多分住職さんは柔らかく言っていると思うんですけど、私はわかってます。私がまだこの世に存在している影響は出てるんですよね」
雅子は少し震えながら言う。雅子にはもう全て分かっているのだ。ここ最近の全ての事は自分が関わっていると、自分のせいで全てがおかしくなっていると。



