光と幽霊の彼女


「ええ、聞こえますとも、名前はなんと」
「葛飾雅子です」
「雅子さんですか」

 光は息を呑んだ。これで幽霊つまり雅子の存在は肯定された。これで第一目標はクリアだ。後は除霊されなかったら勝ちだ。

「いくつか質問してもよろしいでしょうか」
「はい」

 雅子は身構える。ただでさえ緊張しているのだ。

「さて、あなたは何で亡くなられたのですか?」
「えっとトラックに轢かれてです」
「あなたの誕生日は?」
「八月一八日です」
「合ってますか?」
「合ってます」

 そう末広が言う。光に言わせると真偽が定かではなくなるからだ。

「さて、住所は?」
「新潟県南魚沼市緑町です」
「合ってます」

 住職はこれは意識がはっきりしている霊だと察知した。ここまで意識がはっきりしている霊を見るのは三回目だった。ほとんどの霊が元来意識がはっきりとしていない、もしくは現世の記憶を忘れている霊なのだ。だからここまで意識がはっきりしている霊は見たことがない。

「そちらの方に質問ですが、今まで彼女以外の霊を見たことがありますか?」
「無いです」