「ではここでお待ちください」
寺に着くやいなや、俺たちは別室で待たされた。どうやら前の人が終わっていないらしい。
「頼む、末広俺の手を強く握ってくれ」
「おう」
「はい!」
凛子、お前には頼んで無いんだが。
「いいなあ、私には繋ぐための手が無いからなー」
「手あるじゃん」
「私が手を動かしても透けるだけじゃん、ほらー」
「文句言うな」
「はあ、嫌だよ」
雅子は誰にも聞こえない声のボリュームで言う。
「ん? 何か言った?」
「ううん、何も」
「ではどうぞ」
そして運命の時が来てしまった。
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