「邪魔ものなんかじゃないわ、でも葛飾さんのことしか見えていないじゃない。そんなんで現実世界を生きていけると思っているの?」 「雅子は現実世界にいらないっていうのか?」 言い争いは終わらない。そしてそのまま駅に着いた、着いてしまった。 「さあついてしまいましたね、覚悟してください」 凛子がそんなことを言う。覚悟というのはつまり寺に行く覚悟だ。 「覚悟なんてできてるわけねえだろ、俺は帰るぞ!」 帰る! が、凛子が俺の手を掴む。