詭弁なんてどうでも良い。一度決めたことは覆さない。雅子が嫌がる限りな。
「なんでだよ、ただ帰るだけかよ。ここまで来たお前の勇気は何だったんだよ」
「じゃあなんだよ、引き返すっていう手がないっていうことか? 逃げたらだめなんてどこの価値観だよ」
悪い昭和感のある価値観だなー。
「私からもお願い、このまま終わってほしくないの。お願い」
「このまま終わる? 雅子は邪魔ものなのかよ」
電車はもう終点の駅の三駅前に来た。そろそろ到着が見えてくるころだ。着いてしまっては終わる。それまでになんとか帰る流れにしないと。



