警察署
「聞いているのか? 黙ってていいと言うのか」
「……」
「はあ、埒が明かんな、おい、親御さんとかはまだか?」
「まだみたいです」
奥から声がする。
「とはいえ、このまま黙秘を続けても意味がないぞ、状況が悪くなるだけだ。我々は君の敵じゃないんだよ」
「俺にとっては雅子の存在を否定する人間はみんな敵だ」
もうどうでもいい。なんで俺が怒られなくちゃいけないんだ。
「でもな、その雅子さんはもう亡くなっているんだろう」
巡査部長である三条は冷静に言う。
「いや、俺の隣に存在しているから、存在している」
「いや光、私もう死んでるから、死んでることは肯定してもいいんじゃないの?」
「雅子は黙っといてくれ」
「えー。でも私は死んでるわけだし」
「面倒くさいな。生存してるでもいいだろ」
「もうそれでいいよ」
「やった!」



