「光考え直してくれ」 授業が終わると同時に末広が言ってきた。 「何が?」 答えはわかっている。だが、今の俺には余裕が無い。末広相手だろうと容赦するつもりはない。 「現実に戻って来いよ」 あ 例の定形文か。 「またそういうことか。俺は何を言われても雅子から離れるわけにはいかない。それに末広、雅子の気持ちがわかるか? 急に俺以外の人から認識されなくなったんだぞ、それがどんなに辛いか、寂しいか、考えたことあるのか?」 別の切り口で攻めてみる。雅子が授業中に教えてくれた提案だ。