「光、みんなが見ているけど」 「ああ、見せとけ、みんなは雅子が見えてないからそう思うだけなんだ。雅子が見えてたらただの普通の会話さ。何も心配することはないよ」 そう言って光は雅子の頭を撫でるが、空を切るだけだった。 「でも、でも、現実が見えてないって言ってたよ」 「それは大丈夫、言わせてたらいいんだよ」 「うん」 「光、やっぱり考え直してくれ」 末広が教室に入り話しかけてくる。 「すまん、末広、もう先生来てる」 「あ、ああたしかに」 末広は勢いを殺されて、微妙な顔をしている。