そりゃ気付いていたよ。蓮くんは私と離れるのが寂しかっただけだって。
言われた『好き』は単に仲直りしたくて出てきた言葉で恋愛感情はあまり含まれていなかった。それこそ“嫌いで意地悪していた訳じゃない”と伝えたかっただけだと思う。
ただ私は嬉しかった。形がどうであろうと蓮くんに必要とされて。自分に縋り付く蓮くんがどうしようもなく愛しく感じた。
それに未来に賭けてみたくなったの。今はまだ小さいこの愛情がいつか大きく育って本物になってくれるんじゃないか、って。
だからお互いの心に愛情の種を植えて、ただただ2人の未来を信じた。
その後『付き合う?』と聞いた私に蓮くんは少し間を置き『うん』と静かに頷いた。
中1の冬。友達としては終わり恋人として始まった日。あれから5年の月日が経ったけど、あの日の思いや感情は未だ時効が切れていない。
だから離れない。今でもずっと。どれだけ冷たくされたってニコニコ笑って傍に居続けてる。あの日言われた『好きだ』を信じて。



