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「ねぇ、明日香。一緒に写真撮ろ?」
「あ、うん」
ついに迎えてしまった、卒業式当日。 やること全部終わって校舎の前。声を掛けてくれた友達に笑顔を返す。
周りを見渡せば、卒業生でいっぱい。みんな写真を撮ったり泣いたり笑ったり忙しそう。蓮くんも友達に囲まれて笑っている。また会おうなー、って楽しそうに。
「蓮くんと仲良くね」
「ありがと〜。頑張るよ」
写真も撮り終わり友達に別れを告げる。
見慣れた校舎を見上げてみたら入学してきた時と何一つ変わっていなくて、何だか少し切ないような気持ちが押し寄せた。
未来は遥か先にあるように感じるのに過去は振り返れば直ぐそこにある。入学式の日は卒業まで長く感じたのに卒業式の日になってみれば本当にあっと言う間だった。
門から一歩外に出れば続いているのは新しい道だ。終わったと思ったら直ぐにまた始めから進んでいく。
終わりと始まりが重なる日。“卒業は終わりじゃなくて始まりだから”と言っていた校長の言葉がやけに耳に残る。
新しい生活が始まったら蓮くんと私の仲はどう変わっていくのかな……。変わりたいけど、変わりたくないし、ちょっとだけ不安に思う。
出会いも沢山あるしなー。蓮くんはカッコイイから心配だ。一緒に居たくて必死に勉強をしたことなんて、きっと蓮くんは知らない。そう思ったら少し寂しい。



