為子「あああ、そうかい、そうかい。そんなことはどうだって……」
和子「どうだってって、どういうことよ……」
為子「いや、つい本音が……それよっかさ、さっきお父さんが教団の金子さん(※姓じゃありません、下の名前)から電話があったって、大変だとか云ってたって、そう云ってたんだけど、まさかお米様の身に何かあったんじゃないかしらねえ」
和子「えーっ?!お米様にぃ?!」
為子「ええ、そう。お父さんったら、何も確かめない内に電話切っちゃったからさ、分かんないんだけどね」
和子「嫌だ。まったくもう、お父っつぁんたら……身体を心配して御数をもう一品と、ビールの小瓶ももう1本冷蔵庫に入れておいてあげたのにぃ……わたし心配だわ。金子小母さんに電話してみる」
為子「いいよ、いいよ。そんなことしなくても。もし本当にお米様に何かあったんだったらまた電話なりしてくるよ」
和子「そーお?でもなんか不安だわ、あちし。第一……その醜玉さんが、金子さんが、すぐそこの路地まで来てるような気がするわ。あの人が来るといつもゴジラ接近中みたいな、凄い迫力を感じるから。おっ母さん、感じない?」
為子「いいや、何も。それよりお前、ビールを1本余分に入れて置いたんだってえ?ダメだよ、甘やかしちゃあ。アル中になったらどうすんの?」
和子「アル中?(吹き出す)……まったく、おっ母さんたら……あ、待って。来た気がする、ゴジラが……あ、いや、金子さんが(そう云いながら表の路地の奥の方に顔を向ける)」

M(ジャーンという効果音)

金子が路地奥に登場。続けてゴジラ接近中の効果音と共に和子の家の前まで来、路地の中央で仁王立ちする。

金子「まったくもう、あのハゲ!勝手に電話切りやがって!お光様の一大事を知らせようとしたのに!仏罰が当たるわよ、もう……」

【教団幹部・醜玉金子(しこたまかねこ)のイメージ。イラスト屋さんから拝借。↓】