大量の荷物をコーダイと一緒に持ち、なんとか家に戻る。
空いている部屋に運び、片付けていると「はいこれ」とまたカードを手渡された。
「⋯⋯なにこれ」
「この家の鍵。あんまひとりで出歩いてほしくないけど、一応」
「⋯⋯」
「あ、オートロックだから入るときにだけ使ってな」
「⋯⋯ありがとう」
大事に握りしめてコーダイを見上げると、「おう」と優しく笑ってくれた。
無くさないよう財布に入れていると、「じゃ、行ってくるわ」という声が聞こえる。
慌てて小走りで玄関に向かうと、コーダイは昨日と同じギターを背負っていた。
「⋯⋯行ってらっしゃい」
「行ってきます。いい子で待ってなよ」
頷くと頭をさらっと撫でられ、玄関を出ていく後ろ姿を見送った。
ひとりになり、シーンとした家に少し寂しさを覚える。
スマホを見ると、時刻は14時を過ぎたところ。
とりあえず荷解きを終わらせてしまおうと、片付けを再開した。
