「僕はお茶係なんで、
 この子を送ってから行きます
 飯田先生たちは先に行っててください」



ほおおお。気が利く兄ちゃんだな。



「ああ、分かった。よろしく頼むな」


オッサンは太った体を

一生懸命支えながら走っていった。


「……ップ」


思わず笑ってしまったあたし。


「ははっ。さすがデブだね」


「え!?」


隣には先ほどのイケメン兄さん。


いや、隣に居るのはいいんだけど…



「…今、デブって…?」


「実はね、俺もあんな先生嫌いなんだ。」


お、いつの間にか俺キャラになってるし。



「だからさ?指導室からデブの声聞こえたから
 またか。って思ってさ」


「え?またかって…?」


「俺もさ?何気今年でこの学校3年目なのよ。
 毎年、遅刻があれば生徒捕まえて
 こっぴどく叱るわけ」



おえっ。気持ち悪。

あのニタニタに何人もの生徒が捕まってると言うのか。


あたしはその、犠牲者…か。