「…本田?
お前…入学式はどうした」
「そ、その…寝坊しまして…
さっき来ました」
その瞬間、周りから
クスクスと言う笑い声が聞こえてきた。
な、な、な…!!
だって、しょうがないでしょ!?
誰にだって寝坊はあるじゃない!!
それを馬鹿にするなんて…!!
「本田は…とてつもなく“馬鹿”なんだな」
…せんせー。
それ禁句。
今さ?今だよ?
馬鹿にすんなって言ったばっかじゃん!!
って…思っただけか。
「本田ー、気をつけろよー。
じゃあ、今日はここまで。」
せんせーの言葉と共に、
クラスの皆が
立ち上がり、「さよーならー」
と次々に教室を後にする。
「じゃ、しぃ!頑張ってね!」
「…うんー」
光も教室を後にし、
現在あたし一人。

