nonsense magic




……きりくん、怒った?
でも、こうして手を繋ぎながらきりくんと向き合っていると、お互いの温もりを共有しているみたいで安心するの。


ご機嫌ななめなきりくん、……ちょっとした悪戯心できりくんの頬にくちびるを寄せて、ちゅ、と軽く口付ける。


……きりくんの真似しちゃった。 
そっと上目がちに見つめながら、照れかくし半分で頬をゆるませるわたしに、なぜか固まってしまうきりくん。



─────ポーカーフェイスに貼り付けた薄笑い。最早それがきりくんの標準と化しているから、きりくんの表情の変化は結構わかりやすい。



今だって、ゆるいカーブを描いていた瞳をほんのすこし尖らせて、驚いたように目尻をひそめるきりくんの姿が映るから。……ご機嫌回復したかなぁ、と、ぼんやりと惚ける頭で考えていたら。



「、あー……ね、おまえ、"今"の状況でそういう事すんの」


……ね、それ誰に教わったの?


わたしがふれた場所をつう、と指先でやさしくなぞったら、流れるような仕草でわたしの頰にくちびるを寄せるて、ちゅう、と軽やかなキスを落とす。擽ったさに思わず目を細めれば、突然くちびるを深く塞がれて。



視界は鈍い光は纏ったまま、欲で濡らした瞳に見下ろされて囚われる。    



「……き、りく、っ」

「……ふ。おれが教えたの?」

  


冷めた眼差しに艶やかな熱が灯った、瞬間。