「きり、く、っ」
内腿に添えられた手のひらをおそるおそる掴んだら、ぎゅっと薬指を絡めて空中へと持ち上げる。
うっすらと、視界の隅っこに重なった手のひらが映る。ぼんやりと影んだそれが、心臓を包むみたいな安心感をつれてくる。
……肌に温度が和む。白くて、綺麗な手。
「、手、冷たいなあ」
頬をぴったりと手のひらで包んだら、乗せられた相変わらずの温度に、ふふ、とゆるんだ笑みがこぼれた。
上目がちに捉えたまま、されるがままのきりくんの手をまたぎゅっと掴んでみる。戯れるようにぶらぶらと空中に迷わせたあと、温度を繋げるように、やさしく握った。
「あったかい……?」
「………ん。じゃあ、これは?」
きりくんは握っていた手をほどくと、さっきわたしがしたみたいに、ほどいた手をゆらゆらと空中で迷わせた。それに視線を奪われていれば、そっと、手のひらにゆるい力がこめられて。
丁寧に折り曲げて、重ねて、絡めとられる。
「……きりくん」
「ん?」
「……ありがとう。あったかい」
ふやけた笑みを浮かべるわたしに、微かに眉を潜めたきりくん。
気ぃ抜きすぎね、と不本意そうに呟いたら、イタズラに首筋にくちびるを落とすから、思わずひくりと背筋を震わせる。



