「おれも、傷つけない」
「……うん。それは、疑ってないよ」
「なるべく優しくしたい、……っつーか、するけど」
頬の輪郭に添ってやさしく指を這わせたら、首筋を流れていく。鎖骨のあたりに爪を立てたら、周辺を焦らすようになぞられて、ふるりと肌が粟立つ。
────わたし本意の、''やさしい''ふれ方
「きりくん」
「……なに?」
「……やさしくしてくれるのは、うれしい」
ぎゅっと握ったスウェットで顔を隠して、視界を黒に染める。暗闇に慣れてしまった視界に妙な安心感を募らせながら、セリフを紡いだ。
「……でも、わたしは、やさしくしてほしいから''こう''してるんじゃなくて、」
自分の語彙力のなさに呆れてしまう。
……だって、すごく変なこと言ってしまう気がするから。
「────きりくんなら、なんでもいいよ」
………なんでもいい、って、なに?
伝えたいことがあるのにうまく纏められないことがもどかしくて、うー……とこころの中で唸りながらスウェットに顔を押し付ける。
慣れない熱に浮かされて、頭が正常に動かくなってしまったらしい。



