「鼻で息して。……ほら、舌引っ込めんな」
「ふ、ぅ、っ」
咎めるように先端をかぷりと噛まれる。やわらかく絆されていくような感覚に慣れていく自分に気づいて、こわくなる。
……きょうだけで、キス、何回したんだっけ。
されるがままのわたしを見つめながら満足そうにほどかれる瞳に心臓があまく痺れて、知らない熱に侵食されていく。
「さっきの質問の答え」
「………っ?」
「慣れてないから面白くないとか、全部外れてる」
きりくんはこぼれそうな雫を指先で掬ったあと流れるようにわたしの眦にキスを落とすと、ふ、と悪戯に口角を持ち上げて。
「おれ以外の男に慣れてるこころなんて、許さない」
掠れた語尾があまやかに揺れて、うまく聞き取れない。
唇の感触を確かめるように指の腹で撫でられて、また何秒かも立たないうちに塞がれる。
……きりくん、キスすきなのかな。
「は……ぅっ、ん、」
さっきまで角度を変えて何回も落とされていたそれが、じっとりと、長く甘やかすようなふれ方に変わる。
きりくんに寄りかかるような体勢だったのがいつの間にかソファに押し倒されて、視界を囲むのはきりくんと天井だけ。
………このあとの''流れ''がわからないほど、わたしは子供ではない。
「き、……~っりく、」
「、こころの準備いる?」
「……ぅ、ばかに、してるっ」



